ADHDの本を読んで育児生活を改善する(1)
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こんにちは!さとみです(^ ^)
きょうは、素人の私が発達障害の一つであるADHDについて調べたことを紹介します。私自身はまるで専門外なので、記載している内容や分類は厳密ではなく、誤認している箇所もあるかもしれません。知るきっかけや参考程度に見ていただけると幸いです。
↑男性に目立ちやすい身体の多動とは異なり、女性に目立ちやすい「思考の多動」についても詳しく説明されており、とても参考になりました。頑張っても頑張っても家事や育児や仕事でごちゃごちゃになって何か抜けてしまう、そんな方に是非紹介したいです。
調べたきっかけ
自分の中にある不便さや家族のもつ苦手なことについてのパターンと背景、対策を体系的に知り、日常に役立てたいと思いました(^ ^)
例)自分の不便さ
- 失くしものをしやすい
- 努力しても片付かない
- 時間がギリギリになりやすい
- 楽しいことをしていると時間を区切れない
- 常に何かを考えていて考えがまとまらない
- 考え過ぎたり、衝動的に決めてしまったりする
→ADHDの「思考の多動性」に似ていることがわかりました。
例)夫の持つ苦手
- 雑務処理が苦手で後回しにして忘れやすい
- 失くしものをしやすい
- カッとしやすい
→この他にもADHDの特性に多く当てはまることがわかりました。
例)子どもの持つ苦手
- 指示を忘れやすい
- 呼ばれても気づかない
- 指示が曖昧だと理解できない
- 身支度のステップを抜かしやすい
- 次に何をすればよいかわからず不安になりやすい
→幼児なら誰でもある程度は当てはまるようにも思えるし、ADHDやアスペルガーの特性に当てはまるようにも思えます。今は困りごとを解決する視点で読み進めていきます。
こういった生活上の困りごとを発達障害に関する知識と工夫を使って改善します。私と家族は発達障害については未受診ですが、本を読んでいるとよく当てはまる部分もあまり当てはまらない部分も見つかります。今の段階では診断にはこだわらず、発達障害の人にとって過ごしやすい環境を真似して取り入れることで、よりスムーズな生活を組み立てることが狙いです。
発達障害とは?
発達障害
- 認知、社会性、言語、注意力・行動のコントロール、学習、運動、手先の動きなどに発達の凸凹が生じやすい
- 先天的な脳機能の障害
- 親の育て方や本人の性格のせいではないが、環境的な要因で特性がより目立つことがある
- 根本的な治療方法はない
- 早期発見と適切な支援が有効
発達障害の3つのグループ
1.知的障害(精神遅滞)
- 知的機能の発達の全般的な停滞
2.広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害。ASD。Autism Spectrum Disorder)
- 知的機能の発達の全般的ではない遅れ
- 「社会性」「コミュニケーション」「興味・活動の限定」の領域で何らかの障害が見られる状態
- こだわりが強い
- 感覚過敏や鈍麻
- 自閉症
- アスペルガー症候群
- その他の広汎性発達障害
3.特異的発達障害
- 知的機能の発達の全般的な遅れはないが部分的な機能の発達に顕著な遅れ
- LD(学習障害。Specific Learning Disorder)
- ADHD(注意欠如 / 多動性障害。Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder)
ADHD(注意欠如 / 多動性障害)とは?
ADHDの特性
1. 不注意型
- ドラえもんの「のび太」
- 注意散漫
- 忍耐力に乏しい
- 初めからあきらめやすい
- 冷静に考えずにすぐに他人のせいにする
- ものをよくなくす
- 忘れ物が多い
- 細かいことに気づかない
- 音が気になって集中できない
- 整理整頓ができない
- 人の心がわかり気持ちが優しい
2. 多動・衝動型
- ドラえもんの「ジャイアン」
- 落ち着きがない
- じっとしていられなくて身勝手に行動する
- 手や足を動かしてそわそわしている
- よく考えずに行動する
- 順番を待てない
- 思ったようにいかないと急に怒り出す
- 衝動的で感情の起伏が激しい
- 活動的でリーダーシップを発揮することもある
ADHDの女性に多い悩みの例
ミスが目立つ?
- 時々上の空になりぼーっとしている
- 用事をなかなか覚えられず忘れ物が多い
- 人の話を最後まで集中して聞けない
- 手作業を丁寧に確実にこなすことが難しい
・・・気が散りやすく、切り替えが苦手で、覚えるのが難しいため
気配りができない?
- 言わない方がいいとわかっていることでもつい話してしまう
- 人の話に割り込んで話す
- その場をしきり、自分の考えややり方を押し通そうとする
- 的外れな発言や行動をする
・・・人と関わって色々な活動がしたいが、発言や行動の衝動を抑制できない
時間の見積もりが甘い?
- 用事をつめ過ぎる
- 余裕を作らない
- 時間がないのに「あと一つ」済ませようとする
- 気が散ってペースが崩れやすい
- とりかかるのが遅い
・・・思考の多動性。考えがまとまらず広がる一方。希望や期待が多過ぎる上に、計画的に行動できず、やりたいことを整理しようとしても考えがまとまらない。
☆私はこの傾向がありそうです!
育児で感情的に怒鳴る?
- 自分を見ているようでイライラしやすい
- 関係のないことまで一緒に叱る
- 考え、気分、指示に一貫性がない
- 不器用さや計画性のなさのため家事が上手くこなせず余裕がない
・・・感情が爆発しやすく、考えや気分が変わりやすく、自分が叱られた記憶にとらわれる
ADHDの対策
生活を改善する工夫
- 片付け:周期を決めて一度に1箇所だけを集中して片付ける
- 会話:話したいことは口にする前に紙に書き出したり、1分間黙って聞いたりする
- 作業:自分が集中できる時間を計測し、予定を立てるのに役立てる
- 生活:夕食、入浴、就寝の時間を決めて守る
- 紛失:定期的に整理を手伝ってもらう。予備を用意する。
- 雑務:カレンダーに書き込んだり、雑務を処理する日を週に3回取るなどして、漏らしにくくする
- カバン:ポケットごとに入れるものを決めておく。常に持ち歩く大事なものはインナーバッグにまとめる
- 時計:アラームを活用し15分前行動をする。タイマーを活用し好きなことでも残り時間を意識して時間を区切る。
- 日誌:予定も薬も体調も、記録するものは全て一冊にまとめる
- お便り:お便りや掲示物の連絡事項は携帯カメラでも撮影し記録を残す。
生き方の目標
- 「なんでも完璧にできる普通の人」と「ダメな自分」という視点をやめる。普通の人にもADHDの人にもそれぞれできることとできないことがある。普通を目指すつもりで完璧を目指して苦しくならないように気をつける
- ほどよい加減を見つける。ミスをして迷惑をかけないように完璧を目指すのではなく、多少のミスを許してくれるような友人と過ごす時間を定期的にもてると理想的。
- 苦手なことは家族、先生、友人などの手を借りてある程度失敗を避ける。
- 規則正しい生活が体調や精神の乱れを回避する。
- 何事もつめこむのをやめ、優先順位をつけ、手放せるものややめられるものを探すと余裕ができる
- 衝動や感情で重大ななことを焦って判断しやすいので、信頼できる人にブレーキ役になってもらったり、一定期間保留にするルールを作ったりする
発達特性のある子どもへの接し方
指示・注意
- 穏やかな声で話しかける:大声を出したりきつく叱ったりネガティブな言葉で傷つけたりしない。
- 注目を引いて注意する:注意する回数を減らし、ここぞというときを選んで注目を引く。
- 嘘や言い訳をきつくとがめない:怒られるのを避けるためにすぐにわかるような嘘や言い訳を言ってしまうことに寄り添い、根本的な対策にフォーカスする。
- 指示は短くする:「Aをしてから、Bをしてね」だと、前半のAの部分は忘れてしまうことがある。
- 指示を言い換える:「Cを持ってきてね」のCが何かはわからないが、持ってきて欲しいことはわかるので別のものを持ってきてしまうことがある。
- 具体的に指示する:「ダメ、やめなさい、そうじゃない」などの禁止や否定、「少し、早く、あとで、しっかり、すぐに」など抽象的な指示だけを言われると何をすればいいかわからなくなる。「ハサミを置きっ放しにしないで」→「ハサミをしまおう」「ちょっと待って」→「5分待って」など具体的に。「〇〇しよう」「〇〇するといいね」「〇〇してみたらいいんじゃない」も良い。
- できることを叱る:能力や特性のためにできないことを叱らない。
環境を整える
- スケジュール表を作る:1日の予定を一覧ににして見通しが立てられるようにする。耳で聞くよりも理解しやすい場合が多い。時刻を細かくし過ぎず、絵や写真も入れて。
- ルールやマナーを可視化する:雰囲気から学ぶのが苦手な子には、具体的にどう振る舞えばいいのか、重要なものから選んで可視化し習慣にする
- 不安や緊張をやわらげる:状況や環境によって不安や緊張を感じると特性が強く出やすい。
- 不快感と恐怖感を和らげる:感覚が過敏な特性のため、お湯が熱過ぎて感じたり、顔が濡れることが不快であったり恐怖であったりする場合がある。こちらの正論を押し付けず、じっくり点検しながら本人の不快感や恐怖感をできるだけ取り除く。
寄り添う
- 褒めて伸ばす:小さなことでもできたことを見つけてほめる。
- 方法を考える:困ったときに「どうして」よりも「どうすれば」に注目する
- わかりやすく褒める:褒められたことが本人にはっきりとわかるように褒める。言葉で伝える、はなまるをつける、全身で褒めるなど相手に合わせて。
- 支援する:正しい方法を教え込むよりも、気にかけるようにする「どんなことで困ってる?」「その工夫は上手くいきそうね」「大変そう。一緒にやろう」
ADHDのメモ
ADHDの症状を抑える薬
脳内物質のバランスを調整することで不注意や多動性、衝動性を抑えることができる(コンサータ、ストラテラ)。6歳以上。ADHDの知人夫婦によると、かなり効くように実感しているそうです。
ADHDについてのメモ
- 多動性と衝動性は、男性では暴言や暴力につながりやすく、女性ではおしゃべりや買い物で目立ちやすい。
- 多動性は年齢とともにおさまる傾向があるが、衝動性は続く。
- 女性のADHDはアスペルガーと誤認されやすい。背景を丁寧にたどって正しく診断してもらう。
ADHDの特性は長所でもある
- 不注意→視野の広さや感受性の強さでもある
- 多動性→行動力や自主性の強さでもある
- 衝動性→情熱の強さや瞬発力でもある
参考文献
1. ほめ方・叱り方・言葉かけ
小さい子どもとの家庭生活をより良くするために読んでおきたい本
発達障害の子どもが伸びる ほめ方・しかり方・言葉かけ: 毎日の生活に取り入れるだけで子どもが変わる
- 作者: 塩川宏郷
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: 大型本
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- 文章が中心ですが、見出しや豊富なイラストからも内容が理解しやすいです。
- 子どもの発達障害全般についての説明が詳しいです。
- 家庭での子どもへも働きかけについて、実践的で具体的な見本が多く参考になります。
抽象的な指示でまくし立てられて理解しやすい幼児はいないはず。発達障害の子どものための工夫の多くは発達障害ではない子どもにとっても快適で役立つものです。この本に書かれているアイディアをたくさん真似して実践したいと思いました(^ ^)
2. 子どもの発達障害と情緒障害
子どもの学校生活が上手くいかないときに読んでみたい本
- 絵と図が中心になっているので、文章が苦手な場合でも見やすいです。
- 広汎性発達障害と情緒障害を併発している小学生4年生の男の子の事例をかなり詳しく追いながら、症状、受診、治療、対応などの各ステップについて知ることができます。
3. 女性のADHD
頑張っても家事や育児がうまくいかないときに読んで見たい本
- 絵と図が中心で視覚的なまとまりがよく、読みやすいです。
- ADHDの特性が女性の場合はどのような症状として表れやすいのかが詳しく書かれています。
- 考えがまとまらなかったり、いろんなことを頑張り過ぎてしまう「思考の多動」についてもよく知ることができます。
私は手足を落ち着きなく動かすような多動性や、気になるものをめがけて車道に飛び出すような衝動性は全くなかったのですが、「思考の多動」に当てはまることがとても多く、もしかしたら本当にADHDかもしれないと思いました。困り度に応じてそのうち受診してみるかもしれません。頭がごちゃごちゃして家事や育児を段取りよくこなせなくて悩んでいるお母さんには是非一読をおすすめしたいです(^ ^)
おわり
いかがでしょうか?発達障害に関する書籍は、発達障害の方にもそうでない方にもたくさんの生き方のヒントをくれるように感じます。私は今回、発達障害について調べたことで自分の中にあるADHD的な気質を知ることができました。まずは学んだばかりの生活上の工夫を試し、もし必要を感じれば気軽に受診したいとも考えています。
みなさまの育児や生活の参考になれば幸いです(^ ^)
さとみ